行列のできる専門店の強みと凄さ!

僕は飲食店の店舗運営の仕事を20年してきました。

マクドナルドで10年。

ウナギ専門店で10年。

僕が勤めていたウナギ専門店は現在、年商20億円をこえる日本一のウナギ屋です。

私が入社したのは11年前、まだ年商が現在の4分の1くらいでした。

   

僕が入社して、はじめに名古屋駅近くの地下街の20坪の小さなお店の立ち上げをしました。


当時 、僕はお店の接客の責任者として現場を任されていました。

厨房は社長が仕切っていました。

そのお店は客席からウナギの焼き場がガラス越しに見える店でした。

  

社長のすごさは

ウナギを焼く技術もスゴイのですが

お客様のニーズに応える姿勢でした。

ウナギの専門店は時間がかかって当たり前。

お客様に待っていただくのが当たり前という姿勢が多いのですが

お客様はお急ぎのビジネスマンの方が多い名古屋駅地下街。

「10分で料理できるなら入るけど・・・」というお客様がけっこういます。

社長は「ほぼそのお客様の要望にこたえる」のです。

お急ぎのお客様が多いとわかると

そのための準備をできる限りするようになりました。

料理の質を落とさずに早く料理だす準備と工夫を日々積み重ねていきました。

社長は考え方が柔軟で、とてもお客様寄りの考え方ができるウナギ職人でもありました。

   

オープン直後は

「暇だった」お店でしたが

3ヶ月をたった頃どんどん忙しくなってきました。

昼どきは行列ができるようになりました。

「並んでいるお客様の注文をとってほしい」と社長は言ってくるようになりました。

店外で並んでいるお客様の注文を先に伺います。

そして厨房に伝えます。

   

長く待っているお客様には

お客様が入店したらとても早く料理がでてきます。

  

それもお客様の待ち時間に合わせて料理の提供時間を調整して料理を出します。

焼き場からみえる客席の情報と僕から伝える行列の人数と

お客様の待ち時間に合わせて

料理の出すスピードは変化させながら

お客様に違和感を感じさせず、忙しいながらも上手に丁寧に仕事をして料理を提供します。

  

行列ができてしまえば

お客様のお食事時間は「名古屋駅だと平均20分くらい」でしたので

1時間で3回転できます。

ウナギは高いです。

普通のひつまぶしで3000円くらいします。

なのですごい売上でした。

 

行列ができることで 

入ってくるお客様のペースの合わせて

常に焼き立てのウナギ

常に炊き立ての熱々のごはんで料理の提供が可能になります。

行列ができるお店の強みは、

これから入店されるお客様の人数がわかってしまうので

それに対して最大限の準備ができるのです。

   

ウナギ屋としては珍しいお客様寄りな柔軟な姿勢が社長にはありました。

これを部下のウナギ職人にもきっちり教えていましたので

お客様の待ち人数、待ち時間に合わせて

料理のスピードを変化させ、おいしいウナギをベストなタイミングで提供することができる職人集団が育ちました。

    

社長の「おいしいものをお客様に出す職人魂」は強烈でしたので

その姿勢は今も脈々と職人に受け継がれています。

   

ここが僕の勤めていたウナギ屋が

ウナギ屋として日本一の売り上げになった一番の理由だと思います。

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