2021年7月25日(日)12時~16時
第5回日本陽明学を学ぶ会を開催しました。
今回の会は
第1部 シュタイナーについて 12時~14時
第2部 林田明大先生の講話・感想シェア 14時30分~16時
今回の会で
シュタイナーを取り上げたのは
『真説「陽明学」入門』の著者である林田明大先生が
陽明学のいう「良知」とシュタイナーのいう「高次の自己」が同じものであると
言われていたからです。
私自身はシュタイナーについては本も読んだことはなく、
よく知らなかったので
今回シュタイナーの
「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」という本を読み
発表をさせていただきました。
ルドルフ・シュタイナー(1861~1925年)ゲーテの研究者、神秘思想家・哲学者であり教育者。人間の持っている五感では表面的なものしかわからない。「高次の感覚」によって事の本質がわかるという。物質偏重の社会にあり、古代から受け継がれた霊的知識をバックボーンに人智学を創始した人物です。
林田先生のブログ「夢酔独言」には以下の内容のことが書いてありました。
シュタイナーは
「自分の現在の判断力よりも、もっと正しく自分を導いてくれる何かが、私の内部に存在している」
と言っています。
まさにこれが陽明学で言う「良知」のことです。
この「私の内部にある何か」
について自分が気づけるようになることが大切です。
そのためには「自己観察」をすることが重要になってきます。
そして自分が行う日常生活での行為が大切になってきます。
その自分の心が喜ぶ行為とは「心の善良さから行う行為」です。
「心の善良さから行う行為とは、自分自身の利害ではなく、相手の利害に従って行う行為のことだ。それが道徳的に善なる行為なのだ」。
という内容です。
今回読んだ
「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」の中で
言われていることとして
「われわれの文明生活では尊敬したり、献身的に崇拝したりするよりも、批判したり、酷評したりする方に傾きがちである。
しかし、どんな批判も、どんな裁きも魂の中の高次の認識力を失わせる。
それに反してどんな献身や畏敬もこの力を育てる。
高次の知識を得るために必要なのは人間崇拝ではなく、真理と認識に対する畏敬である。
誰かと出会いその弱点を非難するとき、私は自分で自分の中の高次の認識能力を奪っている。
愛をもってその人の長所に心を向けようと努めるとき、私はこの能力を蓄える。繰り返し、繰り返し、あらゆる事柄の中の優れた部分に注意を向けること、そして批判的な判断を控えること、このような態度がどれ程大きな力を与えてくれるか。」
批判の気持ちは高次の認識力を失わせる。
献身や畏敬の気持ちはが逆にこの力を育てる。
人の長所に目を向けることもこの力を育てる。
つい批判の気持ちを持ってしまうがそれは良くないのですね。
ではどうすればよいのでしょうか?
自分とは正反対の意見が述べられる時も、批判せずに傾聴する訓練をする。
それができるようになると、相手の気持ちが分かるようになり、さらに
自分の中の内なる能力を目覚めさせることができる。
という内容のことが書いてありました。
他人を支配しようとせず、独立性を尊重する態度の大切さ
毎日5分でもいいから、自分自身を他人であるかのように見なし観察すること。
他人が異なる意見を持っていてもどうでもよく、大切なのは、何を付け加えたら
その人が自分で正しい事柄を見出さるようになるかを考えること。
厳格な態度は内的な認識力を失わせるが、温和な態度は障害を取り除き
外へ良い影響を与える。
もし、誰かが自分の要求に応じない場合は
その人に感情をぶつけるのではなく、
まず自分自身と向き合い、その人と自分が一つであるかのように感じながら
この人の不十分な点は私の行為の結果、そのようになったのではないか?
と考えれば、今後のその人にどういう態度を取ったらよいのかが分かるようになる。
思い付きで話すことは控えなければならない。といっても周りの人と話すことは大切。発言は、すべてにおいて熟考したうえで発言する。
不安や焦燥は悪い影響しか与えない。それよりも静かに与えられたものや贈られたものを受け取ること。
私はこう思うということも大切ですが
相手の立場にたって物事を考える。
批判せずに傾聴し相手の理解に努める姿勢。
そうして初めて相手の気持ちが分かり
どうすればその人が正しく判断できるようになるかを考えるということ。
シュタイナーの考えは今までの私が出会ったことがあまりない
優しい愛に溢れた考えでした。
良し悪しと判断するのではなく、自分と異なる意見でも傾聴し、聴く。
何かに迷ったりすれば道徳的に正しいことを選ぶ
常に人にはその人が良くなるように考えて行動していこう!
第2部の林田明大先生の講話では
日本人の労働観についてお話でした。
日本人は額に汗して働くことを良しとするが、
中国や韓国ではそうではない。
肉体労働を卑しむ考え方があり
それを手伝ったりすると軽蔑される。
「崇文軽武」
(文を崇い、武を軽んじること)
より日本では文武両道が良しとされた。
日本では武士が政権を取ったが、中国・韓国は文人が世を治めていた。
その違いが労働観にも表れている。
職人が尊敬される日本の文化のほうが受け入れやすいなあと
私は感じました。
でもこれは文化の違いですから仕方がないですね。
林田先生の講話の感想をシェアし12時から開始した勉強会は
16時に終了しました。
そのあと懇親会で居酒屋とカラオケに行って、
終了したのは22時30分でした。
勉強会よりも懇親会が長くなってしまいました。
楽しく学べた中身の濃い一日となりました。
参加してくださった皆様。ありがとうございます。
8月は日本陽明学を学ぶ会はお休みして
次回は9月になります。
また日程が決まったら連絡します。
今回も林田先生の講話をZoomでつないでくださった
林田先生をはじめとする日本陽明学研究会、姚江の会 の皆様
配信してくださった柏村さんに感謝致します。
ありがとうございます。
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