古墳について。古代の日本人の感性を知る。死んだら神様になる。誰のお墓かわからない。古墳のカタチが決まっているのも日本人らしい。

藤井康隆さん

7月8日(月)
第311回朝活ネットワーク名古屋を開催しました。
テーマ:古墳がわかる、見方がかわる古墳入門
〜名古屋にも見るべき古墳がたくさんあります!~
進行役:
藤井 康隆 (Fujii Yasutaka) さん
西尾 雅昭 (Masaaki Mash Nishio) さん

古墳についての話でした。
3世紀から7世紀にかけて
日本にたくさん作られてきた古墳。



日本一大きい
大阪府の堺市にある
大仙古墳は南北525メートルもあり
敷地面積はナゴヤドーム12個分もあるそうです。
この古墳をつくるのに恐らく15年くらいもかかった。
現代で作っても2年6か月。
もかかるそうです。
古墳にたくさんある埴輪(ハニワ)は計算に入れていない数字なので
実際はもう少しかかるかもしれません。
それほど大きなものが建設されていた。
平面積では世界最大のお墓です。

古墳はカタチのタイプはありますが
同じ形状をしているものがたくさんある。
金太郎あめのように同じ。
それぞれに個性はあまり感じられない。

古墳には個人名を残すものがない。
これは他の国と比べると珍しい現象。
古墳が絶対的な権力の象徴ではないことを物語っている。
誰かのお墓ではあるのだが
誰のお墓であるかは重要ではない。
他の家族が死んだときもそこに追加で入れられることもあったそうだ。
個人のお墓ではない。

社会的な秩序やルールの象徴であったようです。

日本人の感性では
死んだら神様になる。
死んだ人のことを悪く言わないし、
死んだら個人ではなく、違う存在。
誰であるかは重要ではない。
日本人はそういう感性。





西尾雅昭さん




大仙古墳


古墳はカタチのタイプはありますが
同じ形状をしているものがたくさんある。
金太郎あめのように同じ。
それぞれに個性はあまり感じられない。

古墳には個人名を残すものがない。
これは他の国と比べると珍しい現象。
古墳が絶対的な権力の象徴ではないことを物語っている。
誰かのお墓ではあるのだが
誰のお墓であるかは重要ではない。
他の家族が死んだときもそこに追加で入れられることもあったそうだ。
個人のお墓ではない。

社会的な秩序やルールの象徴であったようです。

日本人の感性では
死んだら神様になる。
死んだ人のことを悪く言わないし、
死んだら個人ではなく、違う存在。
誰であるかは重要ではない。
日本人はそういう感性。

古墳の築造は
奴隷が働かされていたというわけではなく
公共工事の一環でもあったようだ。
無理やり働かされていたというわけでもなく
賃金をいただいて働いていたようです。
これはエジプトのピラミッドでも同じく言われていることで
農閑期の仕事であったような一面もあるようです。

同じような古墳がいくつもあることから
専門の築造技術を持った集団がいたこともわかってきています。
高度な土木技術も古代人は持ち合わせていたようです。

古墳では祭りも行われたりして
お墓の機能だけでなく
コミュニティの中で人が集まる場所という役割もあったそうで
これも日本人らしい完成だなあと思いました。

死んだ人は神様になるので
古墳にお墓的な考え方はあまりなく
「神様がいるところ」であるという感性だったのかもしれません。

名古屋にも古墳は多数あり
尾張氏という豪族が
かつて
この古墳時代の
4~6世紀には栄えていて
熱田・金山を中心に
拠点を持ち、この中部地方を治めていたようです。

熱田神宮のすぐそばにある
断夫山古墳も当時としてはかなりの規模だとのこと。
尾張氏の実力は相当なものだったと想像できます。

尾張氏が中山道の交通を押さえ、
天皇家とのつながりもあったことが遺跡の発掘物からもわかっています。

面白いのは
尾張氏の系図が残っていることです。
名前から天皇家とのつながりがわかるそうです。

でも尾張氏にはまだまだ謎な部分が多く
これからいろいろなことが解明されていくかもしれません。

今年の4月には
しだみ古墳群ミュージアム・SHIDAMU
がオープンしました。
https://www.nagoya-info.jp/event/east/post_752.html
今回お話しいただいた考古学者の藤井康隆さんがプロデュースされた
博物館で
ハニワづくりなどの体験もできるとのことです。
名古屋市守山区志段味近辺にはにはたくさんの古墳があります。

9月28日(土)には金山で
藤井さんと西尾さんが
案内してくださる古墳ツアーも予定されていますので
ぜひ興味のある方はご参加ください。
https://www.facebook.com/events/443005573207405/

今回のお話を聴いて
古墳について
古代日本人の感性について
昔の方々の考え方や生活に触れることができて
なんだか清々しい気持ちになりました。



古墳の古代史 ──東アジアのなかの日本 (ちくま新書)





考古学から学ぶ古墳入門 (The New Fifties)

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