凡事徹底!誰もができることを続ける。どうなるかわからないことを無心で行う。

2021年6月12日(月)
第4回 日本陽明学を学ぶ会を開催しました。
今回は
第1部で宮里哲男さんに
カー用品店・イエローハットの創業者である鍵山秀三郎氏について
発表いただきました。

第1部後半では 日常生活においての陽明学 対話と共有の時間
第2部では林田明大先生の対談講話をZoomで生配信していただき
感想をシェアしました。

宮里さんは鍵山氏が立ち上げられたNPO法人・日本を美しくする会で20年間、学校や街頭清掃を継続されています。
名古屋駅前の朝の清掃活動も毎週されています。

そんな宮里さんが尊敬されている鍵山秀三郎氏。
どんな人なのか?
鍵山秀三郎氏は尊敬する人物として
江戸時代の儒学者で陽明学を学んだ中根東里をあげられています。

宮里さんは、鍵山秀三郎氏の書かれた「気づきの秘訣」という
本に出会い、公のことを考え、実践するとすごい人だと感動。

鍵山氏はもともと資産家の息子でしたが
戦争ですべて失い、岐阜へ疎開します。

そこで母親が慣れない農作業をする姿をみた瞬間に
雷に打たれたような衝撃を受けて
農作業を手伝うようになります。
それから学校に通いながら農業を続けて
保証のないことに無心で取り組む忍耐心を養うことができました。

20歳で単身上京。自動車用品を扱う会社に就職。
28歳で独立。全国に販路を広げ、専務となるも、社長の公私混同の姿を
忠告し改善の提案をしますが、受け入れてもらえず
「理想的な会社を生み出したい!」と独立します。

29歳のときは
新規開拓に明け暮れます。
誰も商品を鍵山氏に売ってくれず仕入れができないので、
倉庫に眠っている商品に注目します。
その商品に光を当て、命を吹き込み、販売を続けます。

その中でリングカバーという
自動車のハンドルに取り付ける商品と出会います。
この商品が爆発的なヒット商品となります。

製造元も「鍵山さんにしか売らない!」
と筋を通します。
50年経過した今も売れ続けています。

30歳で掃除を始めます。
会社を少しずつ拡大していきますが
すぐに辞めてしまう人ばかり。
少しでも会社で働く従業員の心の荒みをなくしたいと
会社の環境を良くするために掃除をします。
社員、銀行からバカにされても続けます。

34歳
鍵山氏が日ごろ掃除をする姿を目にした地主さんが感動し
破格の値段で千代田区の一等地に土地を手に入れることができ
本社ビルの土地としました。
この土地を担保とすることで何度も会社の危機救うことと、なります。

そのあとも売上6割の大口取引先との取引を辞める決断や
イエローハットの店舗展開。
株式上場。
掃除の会の展開など。
公私ともに事業を広げていきます。

結果がどうなるかわからないものに
無心で取り組むこと。


売れていない倉庫の商品に
光を当て命を吹き込み販売する。
これはモノを売る商人の見習うべき姿だと感銘を受けました。


私もモノを販売する人間として見習いたいと思います。

鍵山秀三郎氏の言葉
「凡事徹底」。
すべてに行き届いていること。
その人の言っていることと行動が一貫していること。
すべてを活かし尽くすこと。

誰でもできる簡単なことを誰にもできないほど長く続けてきた。
それが私の人生のすべてです。

どんなことでもマイナスをプラスに転じる意志さえ持てば、絶対にやっていける。

自分の性格にあぐらをかかない。自分の性格がこう。だからしょうがないというのはわがままです。

どんなに厳しい体験をしても、いつも純粋でものごとに傷つきやすい柔軟な心を持って、瞳が澄んでいるようないるような生き方がしたいものです。

正しいことが必ず勝利するとは限りません。しかし正しいことはいつも強いと言えます。

平凡なことを徹底して続けておりますと、平凡の中から生まれてくる非凡というものが必ず出てまいります。これは大変なチカラを持っておりまして、人を感動させるチカラをもっております。

人間は自分の得にならないことをやらなければ成長できない。

鍵山氏が紹介するお気に入りの言葉

小さなよいことをすれば、名声は手に入らずとも、名声に勝る人徳は備わってくる。(中江藤樹)

鍵山氏が尊敬する人物。

西郷隆盛
善人のまま最高権力を極めたたぐいまれなる英雄。
生涯修行を課すことによって、総合的な人間としての恪を高めた人であった。


鍵山氏が薦める推薦図書
無私の日本人(磯田道史)

この書物の中に鍵山氏が尊敬する中根東里のことが書かれています。

凡事徹底することで
新たに気づくことがある。
すべてを活かし尽くす。
どうなるかわからないことを無心でやる。
やり続ける。
その尊さを感じました。

宮里さん。
素敵な今後の人生を歩んでいく上でチカラになる
ありがたいお話をありがとうございます。

第1部後半では
日々の生活での共有の部分ですが
やはり陽明学は机上で学ぶものではなく
日常生活において実践体得することが必要ですから
鍵山氏の日々の掃除
コツコツと決めたことを実践し
日々の気づきを大切に
続けていくこと。
結果を求めるのではなく無心に取り組むことを大切にしていこう
という気持ちを共有しました。

第2部の林田明大先生の対談講話では
ゲーテ・シュタイナー思想と
王陽明の言っていることは
根本的なところで一致するということ。

渋沢栄一も古典を学び
その中に論語がある。
江戸時代の人々の学び。
学問が盛んだった時代。
四書五経。
を含め
さまざまな古典を日本人として
学びたい、学ばなければならない。
と今回、対談を聴きながら改めて思いました。

孔子の言う中庸と
王陽明の言う良知は同じであること。

が印象に残りました。

東京の
日本陽明学研究会、姚江の会の皆様。
いつもZoomで貴重なお話を配信してくださり
ありがとうございます。

日々の生活に誠を尽くす。
小さな親切を積み重ねる。
逆境にこそ成長できるチャンスである。
毎日毎日の凡事徹底。
日々、自分の心を内観し、生活の中で
心を磨いていきたいと
今回の勉強会を通じて改めて思いました。

今後も毎月に1回
日本陽明学を学ぶ会を開催する予定です。
次回は7月25日(日)12時から
開催する予定です。










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