経済に打ち出の小づちはない。金融緩和政策は変わらないが、修正する可能性はある。そうなったときどうなるか?

2023年6月26日
「世界同時不況は終わった?いや、これから本番が始まる。
と題されたセミナーに参加しました。

講師は海老原嗣生氏。
人事や雇用について詳しい海老原氏ですが
経済についても独自の視点から語られています。

私にとっては
昨年7月、12月に続き
海老原氏の経済に関するセミナーは3回目の参加です。

昨年、7月に海老原さんがお話されていたのは
「 150円くらいまでは一時的にいっても、また110円くらいまでの円高に行く可能性が高い。 」


昨年、12月に言われていたのは
「世界の経済は金融政策のしっぺ返しを受ける。」
ということ


今回、海老原氏は何を語るのか?

円安は輸出産業だけでなく
消費者・一般の庶民には生活物価が上昇するのでキツイが
日本企業にとってはプラスだ。

海外で稼いだ利益を円換算すると円安だと膨れ上がる。
利益が増える。

ユニクロ、吉野家、無印良品といった
小売・外食系の企業でも
今や海外での収益は多い。

海外で稼いだ利益は円安により
円ベースで増える。

金融の基本のお話。
これが理解できないと今回の海老原氏の話は理解できない。

金利は市場が決める。
それを日銀がサポートしている。

政府は支出をする。

足りない分を民間から借りている。

国債を発行して販売している。

国債につく利子の金額は決まっている。
でも国債は市場で売買されている。
国債価格は市場で決まる。

国債が不人気となれば、価格は低下し、金利は上がる。
国債が人気となれば、価格は上昇し、金利は下がる。

国債は国の中で一番安全な金融商品である。
一番信用がある。

トヨタのような有名な企業でも
日本国ほどの信用はない。
トヨタが社債を発行する場合でも、
国債より多くの利子を設定する。
国より信用はなく、危険性があるだけ、その分の利子は上乗せされる。

民間の企業が元気で、利子を多く払い、魅力的な社債が多く発行されれば
もしくは国債以外の魅力的な金融商品があれば、
国債は不人気となり、国債価格は下がり、金利は上昇する。

国の金利は国債の利回りが基本となる。

国債の発行が増えれば増えるほど、国債の価格は下がり、
金利が上がる。

金利が上がれば、国は国債を発行するために
より多くの利子を払わなければならないので
国債発行を減らす方向に動く。


日銀は買いオペを実施している。
これは日銀が国債を買うことを指す。
国債を買うことによって
市中にお金が供給され
民間にお金が回る。
これをやり続けている。
今の日本。

国が国債を発行し
日銀が国債を買う。

日銀が買いまくる。

金利は低いまま。
国債価格は高いまま。
じゃぶじゃぶにお金が民間に供給されている。

もはやモラルハザードを起こしているのではないか?

中央銀行が国債をがんがん買う。
というのは
2010年代後半には
日本以外の国も
新型コロナウイルスの流行にために
ヨーロッパもアメリカも
世界中の多くの国が
金融緩和し、行ってきた。

ヨーロッパ
アメリカでは
インフレが起きて
中央銀行は国債を売る
売りオペをすでに実施している。

金利が低い限り、円安は続く。

アメリカは債務上限問題という
アメリカ独自の問題があり
5か月間。
国債の発行ができなかった。

しかし
今月、2023年6月
債務上限問題が解決。

たくさんの国債をこれから発行する予定。
調べると
一兆ドル超(140兆円)の国債を発行できる見通しである。

これだけ国債が発行されると
国債の価格は下がる。
アメリカ国債をたくさん持っているアメリカの銀行は
国債の評価損に苦しむことになる。

大手銀行はそれほどでもないが
すでに中小銀行の預金は流出しつつあり
銀行の破綻がアメリカで起こる可能性はある。

アメリカの地価はすでにかなり下がっているが
さらに下がる可能性もある。
不動産業はすでに融資が受けにくい状況となっているが
さらにその動きが加速する。

株式も下がってきている
上がっているのは今はAI関連だけ。
それも長く続くとは思えない。

これからイギリスも
アメリカも金利を上げる可能性は大。

日本の円安好景気はいつまで続くか?

金融緩和策はやめないと
日銀の新総裁となった植田和男氏は言う。

だが
YCC
イールドカーブコントロール

を修正する可能性はある。


現在10年物の国債を日銀は大量に買っている。
2023年は史上最高に買いまくっている。
これが異常な円安をもたらしている。

日銀が10年物国債の買いを控え
より短期の5年物国債を買いの中心にする可能性がある。
金融緩和策は継続するというが
買いオペする国債の中心を10年物より短期の国債に
修正する可能性はある。

こうなると
国債価格は下がり
金利は上昇する。

今まで続いてきた円安も修正に向かう。
株高も終了となる。

7月以降は予断を許さない。

アメリカの銀行破綻
など波乱含みだ。

7月8月9月に大きな波乱がなければ
調整で済むかもしれない。
でも大きな破綻があれば
株価は大きく下がり

不況に入る可能性は否定できない。

経済に打ち出の小づちはない。

世界中の多く国が金融緩和策を行った。

いずれそのツケは払わなければならない。

その時期が近づいている。

7月以降どうなるか?

これから興味を持って見ていきたい。

私の本業は輸入業なので円安は痛い。
今の円安に関しては修正に向かう可能性を感じる話でしたので
安心しました。


以上が今回の海老原氏の話を聴いた私の感想です。

これから、海老原氏の書いた下記の本を読みなおしてみようと思います。


経済ってこうなってるんだ教室

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