日本陽明学。感じる心の大切さ。今回特に学ぶことができました。

2021年4月10日(土)
第2回日本陽明学を学ぶ会を開催しました。

日本陽明学は江戸時代から昭和初期まで日本でかなり盛んに学ばれていた学問です。
中国の明の時代・王陽明によって興された陽明学は
日本では江戸時代初期「近江聖人・中江藤樹」を始祖として日本陽明学として
発展しました。

幕末に活躍した志士の多くも日本陽明学を学んでいました。

幕末、明治政府樹立に大きく貢献した
西郷隆盛。

西郷の行動哲学は陽明学でした。

西郷の愛読書は
「言志四録」でした。

「言志四録」 とは江戸時代
70歳にして
江戸時代の公的な学問・教育機関のトップである昌平坂学問所の儒官になった
佐藤一斎(1772~1859年)が
42歳のとき1813年に書き始めて
後半生の四十余年にわたって書いた
『言志録』、『言志後録』、『言志晩録』、『言志耋録』の4冊からなる書物です。
条文形式で記述され、全編で1133条あります。

西郷はそのうち101条を書写して、座右の銘として愛読していました。

西郷は陽明学の真髄である
「良知を致す」
に達した人物と言われています。

それはこの自分が書写した101条を繰り返し読み
日常生活の中で常にそれを意識しながら行動したからです。

陽明学は机上で学ぶものではなく
日常生活の中で学ぶものです。
まさに西郷は日々の行動を通じて
良知を発揮できる領域へ達することができたのだと思います。

佐藤一斎の言志四録どのようなことが書いてあったかというと
私のお気に入りのものは以下の文です。

「小にして学べば、則ち壮にして為すことあり、壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。」

「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を尽くして人を咎めず、わが誠の足らざるを尋ねぬべし」

「志を立てる工夫は現在の足らない自己に対して恥を感じ、よりよい自分に向上しようと決意することが肝要である」

自分の描く理想像への達しようという情熱が強ければ強いほど、現実の自己の足りなさを感じます。この恥を知らないことが実は最大の恥。
私もそうならないように自分を戒めたいです。

第二次世界大戦の前は
日本人の間で尊敬する日本人として
西郷隆盛が第1位に上がっていたと言います。

良知を致す。
無私の人物として尊敬されていた西郷隆盛。
上記の内容をお話しました。

その後、
休憩を挟んで
清水三貴子さんに
「江戸しぐさをはぐくんだ日本陽明学」
というテーマでお話いただきました。

江戸時代における江戸。
ここでは寺子屋を通じて教育が盛んに庶民の間で行われていました。

大きいな商店が人材を育てるための教育機関として
現代でいうとトヨタのような企業が学校を作っているようなイメージで
大きな商店が「教育機関」としての寺子屋を運営していたそうです。

三歳
六歳
九歳
十二歳
十五歳

ここでは商人として活躍できる能力を身に着けることができました。

三歳では芸術、絵。

六歳で体の動かし方。

九歳の段階で
相手を思いやる心
あいづちの打ち方を学びます。

十二歳の段階では
注文書、請求書、発注書の書き方を学びます。

十五歳では
道理が理解できて
心で話ができるレベルまで教えたそうです。

このような教育機関は商人を育てるかなりレベルの高いものでした。

あとはお話いただいた内容としては
「講」というものがたくさんあり
それらを通じて
人々がつながり
個々人の好みに応じて学んだこと。

どんな職業の男性がモテていたか?

江戸の町は女性の割合がとても高く
結婚していない男性の比率がとても高かったということ。

そんな江戸時代の庶民の生活や考え方。
教育について学びました。
その庶民の教育の根底にあったのが
中江藤樹を始祖とする日本陽明学でした。

美しいものを美しい感じる心。
相手を思いやる心。
「心」を非常に大切にした江戸の庶民の生活であったようです。

第2部の

林田明大先生と
姚江の会・柏村さんとの対談のテーマは


「代表的日本人・中江藤樹」 でした。

1894年に出版された内村鑑三の代表的日本人。
この5人の中の1人に
西郷隆盛とともに
中江藤樹も書かれています。

今回の対談を聴いて印象に残ったことは

中江藤樹は
五感の前に心がある。
まず心があるいうことを説いています。
感じる前に
感じる心が大切だと・・・
いうこと。

外のものばかり追いかけるのではなく
自分の心に目を向けること。

思ったら行動している。
そのような感覚をもつことができることが理想。
思っていることが行動につながっていきます。
ですから思う心がとても大切なのです。

何を思っても自由。
そうではないのです。
思いは行動の始まりですから
思いを
心を
私たちは大切にしなければならないのです。

中江藤樹は

感化
の大切さを説いていたこと。

言葉で人は変わらない、
行動を通じて感化させること。


近江聖人と称された
中江藤樹について知ることができて
とてもありがたい時間でした。

私の準備に不手際があり
Zoomの視聴に関しては
映像と音声が聞こえにくい環境になってしまったので
次回はこのようなことがないように
改善したいと思います。

参加いただいた皆さん。
Zoomで配信くださった
林田先生と
柏村さんをはじめとする
日本陽明学研究会、姚江の会の皆さん。
清水三貴子さん。

ありがとうございました。


https://www.facebook.com/events/445066990149610





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