- 思ったらやったのと同じ。
- 小善を積むことが良知の発揮につながる
2019年12月7日
陽明学研究家の林田明大先生の陽明学講座に行きました。
全三回の陽明学講座の最終回でした。
日本人とはを考える良い機会になりました。
「心」についてもよく知ることができました。
日常生活の中で心を磨く。
そのことで本来自分に備わっている「良知」の発揮が可能になる。
良知とは人間が生まれながらに持っている是非・善悪を誤らない正しい知恵。
それは「事上練磨」（じじょうれんま）、
生活の中で心を磨き、良知の発揮につなげる。
禅では「座禅」を組むことで悟りを開くが
陽明学では日常生活の中で心を磨き、「良知」を発揮できる。
「致良知」の状態を目指します。
林田先生の言葉の中で
「思ったらやったのと同じだ」という言葉がありました。
思いがエスカレートして行動に移る。
その思いが悪いものであれば、その思いが生じた段階で摘み取らなければ
その思いは膨らんでくる。
思うのは自由だと考えるのは大間違い。
だからこそ、日常生活の中で「内観」する。
自分が何を考えているか？
思っているか？
を感じることが大切。
自分をひいき目でみたり
とんでもないことを考えている自分がいる。
日常生活の中で「心」を磨き、「良知」を発揮できる自分を目指す。
私欲にまみれてしまうと「良知」の発揮が鈍る。
夢の中で人に優しくできるようであれば本物。
私欲にまみれない自分であるためには
「小善」を積むことが大切。
先日、残念すぎる成功法則という本についての勉強会の中で
与える人が豊かになるという考え方を聴きました。
そこで私がどうしても林田先生に聞きたいことがありました。
それは与える人の中でも成功する人としない人がいる。
その違いは
「裏切られたら裏切る」
「やられれたらやり返す」
先に与えるが、その人にやられたときの対応に違いがある。
ということでした。
なるほど。とは思いましたが
イマイチしっくりきませんでした。
その疑問を林田先生に伝えたところ
「やられたらやり返す」ということをみんながやれば
社会はどうなりますか？
大変なことになりませんか？
ということでした。
やられたらやり返すというとより、
されたことに対してどのように対応するか？
されたことに対して
その人の対応が大切ですね。
それは少なくとも「やられたらやり返す」「裏切られたら裏切る」という言葉で
表現できる考えのものではないことが確かであることが理解できました。
日常生活の中で「心」を磨き、
「良知」を発揮できている自分であれば
その対応方法が変わってくる。
日常生活の中で小善を積むということ。
「良知」に従って生きる。ということです。
「良知」の声を聞かなければ、「良知」は発揮されなくなります。
戦前までは「陽明学」の教えはかなり日本の国民に知れ渡っていました。
江戸時代は陽明学者が将軍の前で講義をすることもありました。
忠臣蔵の大石内蔵助も陽明学を深く学んでいました。
西郷隆盛、高杉晋作もそうです。
今の教育現場の惨状を見るにつけ
「心」の大切さを教える必要性を強く感じます。
林田先生いわく、中国の古典である「孝経（こうぎょう）」の教えが
戦前は教育に大きな影響があったそうです。
これから「孝経」について勉強したいと思います。
林田先生はスピノザという思想家のお話から
「中庸」（ちゅうよう）の大切さを話されました。
資本主義でも共産主義でもない第三の道。
極端に走らない。
法律を守るということが絶対に良いということでもない。
法律も時代に合わせて、変化させる必要もある。
気づきが深まると
自由度は高まる。
意思決定は積み重ねで、今までの自分自身の経験は
意思に影響を及ぼしている。
だからこそ自分の心を感じる内観は大切。
「良知」を発揮する。
曇らない心を発揮させる。
それは日常生活の中で
「小善」を積み、感謝することで実現される。
「心」の大切さ。
「欲」にまみれた自分の「心」のありようを知ることができました。
物欲にまみれていた自分を恥じます。
同時に内観を深め、己の心のありようを知り、
「小善」を積み、日常生活の中で心を磨く
「事情練磨」（じじょうれんま）を実践していきたいと思います。
このような陽明学のありがたいお話をしてくださった
林田 明大先生。
会を主催してくださった
佐々木 あきら さんに深く感謝したいです。
林田先生の地方講演はこれで最後ということなので貴重な会に参加できて本当に良かったです。
12月14日（土）名古屋LB（朝活）8時30分～10時
1月27日（月）朝活ネットワーク名古屋 7時～8時20分
今回の林田先生の講座を受けての私の思いをお話したいと思います。
また興味ある方はぜひ連絡をください。
コメント