僕は45歳ですが、今まで4回転職してきました。
僕は結構思い悩むタイプです。
考え始めるといろいろ考えてしまいます。
結論を出してしまうと
行動に移してしまうタイプです。
大学を卒業して
はじめに就職したのは証券会社。
1997年4月に準大手の証券会社に就職しました。
その年の11月に四大証券の一つ。
山一証券が倒産。
金融ビックバンの荒波の中。
業界がどうなるか先が見えない状態でした。
その時配属されたのは
大阪の店舗。
株式市場も低迷していて
僕の就職した証券会社も赤字が続いていました。
そんなことはわかっていたことでどうでもいいことでした。
ただ仕事がつらかったのです。
ただただつらかったのです。
僕は新規開拓の飛び込み営業をしていました。
飛び込んでお客様を開拓する。
自由でした。
まったく自由でした。
どこに行こうが、どう時間を使おうが全く自由でした。
僕は高級住宅街に狙いを定め、
飛び込み訪問を繰り返していました。
住宅地図をコピーして
金持ちそうな家にチャイムを押して飛び込んでいきました。
1件飛び込んだら
そのときのことをノートに書き
話ができたか?
その時の感触。
不在であったか?
どんな反応だったか?
書き込んでいきました。
毎日、同じ高級住宅地を回っていると
なんとなく、開拓できそうなお客様が絞れてきます。
話ができるようになるとだいたい、お客さんになってくれる人ができはじめてきました。
僕はまだ新人だったので株よりも投資信託をメインに販売していました。
100万円単位でお客さんは投資信託を買ってくれました。
300万円とか500万円くらいの金額で買ってくれるお客さんが多かったです。
でも売るもの
おすすめ商品が決まっていて
それを基本的に売ります。
僕は1年4か月で退職したのでノルマというものはありませんでしたが
課でノルマがあり
これぐらい売らないといけないなという感じのものはありました。
商品は売るべきものが決まっていて
どのお客さんにどの商品を買ってもらえそうか?
課長と話をすることが多かったです。
支店で目標があって、
これくらい売らないといけないという数字があります。
その数字は日割りで決まっていて
その数字が達成できないと帰れません。
達成できないとなれば、明日、どのお客さんに何を買ってもらうか?
明日はどのお客さんにアプローチして、どう行動するか?
そういうミーティングをします。
僕はそれほど厳しく言われませんでしたが
周りの先輩社員を見ていると
いつも顧客名簿をペラペラめくり
どのお客さんに何を買ってもらうか思い悩む日々。
当時は市況も悪く
損しているお客さんがほとんど。
ノルマがキツイので、何かを売って、何かを買う。
いわゆる手数料を稼ぐためにお客さんに動いてもらう。というアプローチが主流でした。
手数料稼ぎの営業です。
大体いつも8時には出社し、帰るのは22時。
日割りの支店の目標達成のめどがつくまで帰れない。
ただ僕は新規開拓の営業がメインで
大体1か月に5件~10件くらいのお客さんは開拓できていたので
かなり優秀なほうでした。
9時30分~18時までは外出して自由でした。
でも支店に帰ってからは別にやることもなく
くだらないミーティングや支店の目標のめどがつくまで、お付き合いの
居残り。
周りの先輩社員を見ていると
ノルマを達成するのになんとか頭をひねって、お客さんにアプローチして
各個人の目標を達成するのに必死な感じでした。
喜びも何もない。
あるとすればノルマを達成する喜び。
こんな生活を一生続けるのか?と思うと憂鬱になってきました。
新規開拓の仕事もつらかったけど
もっとつらいのは、先が見えること。
未来が見えること。
でした。
先輩社員の姿です。
上司への愚痴で盛り上がる。
会社への愚痴で盛り上がる。
そんな時間の過ごし方が多かったです。
仕事が終われば、先輩社員と一緒に寮に帰ります。
その帰りの道中は会社への愚痴と上司への文句です。
先輩社員と寮で夕ご飯を食べますが
会社への愚痴、上司への愚痴がメインです。
そんな生活を1年するともう嫌になって
将来の自分の姿が想像できてしまい、
会社に行くのが嫌になり
一度、会社をずる休みしたことがありました。
風邪をひきました。
朝、会社に電話をしました。
僕は嘘をついたのです。
そうすると当時僕は、勤めていた会社の寮に住んでいたので
上司である課長がやってきて
「宮崎!大丈夫かあ~」と僕の部屋にやってきました。
当時の僕の寮の部屋は
4畳半でとても狭く
掃除もできていませんでしたので
足の踏み場もない荒れた状態。
課長はそんな僕の部屋の状態に明らかにひいていました。
そして課長はおそらく僕が
「風邪なんてひいていない」ということに気づいたと思います。
「今日はゆっくり休んで。
明日は会社に来いよ~」と優しく言って帰っていきました。
そこで僕はとても恥ずかしくなりました。
会社をずる休みしている自分が恥ずかしくなりました。
そのあと会社をずる休みすることはなくなりました。
課長にずる休みしていると思われたこと。
気づかれたことが恥ずかしかったから。
こんな自分が何より嫌だと思ったから。
でも、証券会社での仕事には
この仕事の先になんのやりがいも夢も見出せなかったので
結局、ずる休みした1か月後に退職を申し出て
イロイロ止められて、なかなかやめれませんでしたが、
退職を申し出てから、3か月後になんとか辞めることができました。
証券会社での営業の仕事にはあんまり魅力は感じませんでした。
もともと学生時代、株をやっていて面白い。
と思って
入社したのですが
株に投資する喜びと
株、投資信託を販売する仕事は全く別物でした。
でも嫌な仕事でもコツコツやれば
それなりに成果は結果はだせるもの。
ということは学ぶことができました。
新卒社員が仕事を辞める一番の理由は
先輩社員の姿に将来自分がなりたいか?
そこに尽きると思うのです。
これは仕事を続ける上でとても重要です。
こんな人になりたい!
と思える人がいること。
これが一番大切だと思います。
そういう人がいればその仕事は続けることができると思うのです。
目指すものがなければ、どうしてもただ惰性で続けるだけで、自分にとってよくないです。
やはり成長したい。
こうなりたい。と思えるものがあるからこそ
頑張れると思います。
新卒社員が会社を辞める理由の一番は「先輩社員の姿」であると思うのです。
その姿に将来の自分を見るのです。
そんな先輩のようになりたいか?なりたくないか?
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